色の御前社

色の御前社

色の御前社のイメージイラスト

南宮(なんぐう)地区の鎮守(ちんじゅ、守り神のこと)である南宮神社。そのお社は「色ノ地」と呼ばれる場所にあり、別名「色の御前社」とも呼ばれています。

ここに祀られている神さまは女神さまで、南宮の隣村の山王(さんのう)の山王社の神さまに心を寄せられてしまいます。南宮の女神さまはこれを受け入れず、逃げ出します。その際、あわてて芋の葉を踏んで滑り、茶の木で目を突き、麻畑に身を隠し、さらに黒川郡吉田村(現・大和町)の升沢(ますざわ)というところまで逃れ、臼を彫っている家の臼のなかに隠れてやっと難を避けることができたといいます。

それ以来、南宮では女神を傷つけた芋・茶・麻を植えないようになり、山王には女神の恨みからかヒナダメッコ(見た目が麗しいと言えない女性)が多くなり、また山王の村人は吉田枡沢にある枡沢さま(船形山神社)に行くと咎め(祟りなど)があると恐れ、参詣する者がいなくなったといいます。